
未経験からITエンジニア職へ転職し、現在もフルリモートで働いています。
※この記事は、第二新卒以降で職歴があり、未経験でのITエンジニア転職を考えている方を対象としています。
「未経験 IT やめとけ」
…この言葉、SNSやネット上で一度は目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
IT業界は、高収入・在宅勤務が期待できると話題の業界ですが、その一方で「未経験では厳しい」「やめておけ」といったネガティブな声も少なくありません。
この記事では、未経験からIT業界に転職した筆者が、自身の経験をもとに、「やめとけ」と言われる理由、IT業界の実情、そして未経験者でも活躍できるためのヒントをお届けします。
「未経験 IT やめとけ」と言われる理由とは?
以下の理由から、未経験でのITエンジニア転職は、「やめておけ」という声が出ています。
・勉強量が多すぎる
・覚えることが無限にある
・ブラック企業が多い
・給料が思ったより低い
・キャリアが積み上がるまでに時間がかかる
IT業界、実際のところは?
前述のよくある声について、実際に働いてみての感想をご紹介します。
私自身の感想としては、すべてが「Yes」です…。
まずは気になる部分から読んでもらえると、IT業界の雰囲気が少しつかめると思います。
Yes: 勉強量が多すぎる
IT業界では、業務をこなしながらも日々新しい技術をキャッチアップする必要があります。
未経験から入った場合、最初は基礎用語すらチンプンカンプンということも。
私自身、入社直後は、先輩たちが日本語を話しているはずなのに、内容がまったく理解できないという状況でした。
ただし、週5日・1日8時間働いていたので2週間ほどで慣れてきました。
知らないことはGoogle等で調べれば済むので、そこまで深刻に心配する必要はありません。
Yes: 覚えることが無限にある
ITやテクノロジーというと範囲が広く、どこまでも深く掘れるのがITの世界といえます。
全部の技術をマスターする必要はありません。
まずは「自分の担当分野」を軸に、知識を積み上げていくことが重要です。
そして徐々に、「担当分野+周辺知識」へと知識を広げていくことで、キャリアの選択肢も広がっていきます。
1. バックエンド開発エンジニア
担当分野: Python
周辺知識: HTML/CSS、SQL、Git、Linux、AWSなど
2. インフラ系エンジニア
担当分野: ネットワーク + セキュリティ
周辺知識: OS操作、仮想化技術、クラウド構成、スクリプト自動化など
Yes: ブラック企業が多い
「未経験OK」の求人の中には、長時間労働や低賃金、教育制度が整っていないようなブラック企業も存在します。
面接官(人事・技術責任者)の雰囲気に少しでも違和感を感じることがあれば、入社を考え直してもよいと思います。また、実際に働いている人の口コミや評判を確認することもおすすめです。
Yes: 給料は低賃金からスタート
未経験の場合、年収は300万円~360万円程度が目安といわれています。
月収で換算すると、20万〜25万程度。
ご自身の生活状況に照らし合わせて、現実的かどうかを考えてみてください。
ちなみに、私は無理だと判断しました。
神奈川県在住のため、勤務地は神奈川県・東京都で就職活動をしていました。
採用面接を経た結果は、未経験ITエンジニア(インフラ)の正社員雇用で、
1社目: 年収280万円
2社目: 年収320万円
と、提示していただきました。
この年収から、税金が引かれた手取り額を考えると、生計を立てていくのは厳しいと感じました。
そこで給与の面から、派遣社員としてITエンジニアのキャリアを築くことにしました。

私は年収の面から正社員を選択しませんでしたが、現在の労働環境・給与に満足しています。
Yes: キャリアが積み上がるまで時間がかかる
ITエンジニアとしての技術習得は、一朝一夕でできるものではありません。
例えばシステム開発の工程でいえば、
要件定義/ 設計/ 構築/ テスト/ 運用保守 のように分かれています。
未経験ITエンジニアは、最初はサポート業務や運用保守など、いわゆる“下流工程”からのスタートが一般的といわれています。
地道に経験を積んで“上流工程”にステップアップしていく必要があり、また日頃の業務としては、地味な作業も多く、トラブルやエラー対応では根気強さが必要になります。
IT業界に未経験で入るときの本当の難しさ
「常に学習が求められる × 低賃金スタート × 実務と入社前のイメージのギャップ」
この3つが、未経験者にとって壁になりやすいポイントです。
常に学習が求められる(知識・スキル)
IT業界は変化が速く、継続的な学習が欠かせません。
一方で、「実務経験が2年を過ぎると、技術的に楽になった」という声を、同僚から聞くことが多いです。
たとえば開発エンジニアなら、まずはJavaやPythonなどの1言語を習得し、オブジェクト指向などの基本を理解すれば、他の言語にも応用が効きます。
インフラエンジニアであれば、クラウドの需要も高く、AWSの経験があればAzureやGoogle Cloudへの技術に対しても、ある程度スムーズに対応できる場合があります。
低賃金からのスタートになりやすい
傾向として、下流工程(運用保守・運用監視)やヘルプデスクは賃金が低いといわれています。
抜け出す方法は、”上流工程に移動する”の一択です。
もしくは、大企業・外資系企業への転職が現実的な手段となります。
IT業界はスキルアップ次第で、職種を問わず年収が大きく伸びやすい業界です。
実際に、同僚だったエンジニアや営業職の方々が、日々の努力を積み重ねて希望の転職を叶えています。
実務と入社前のイメージのギャップ
もはや、私たちの生活にテクノロジーは必要不可欠ですよね。
また、AIやリモートワークの普及で、IT業界には華やかな印象があるかもしれません。
しかし、実際の業務はシステムの調整やトラブル対応といった地道な作業が多く、精神的に消耗することも多々あります。
私自身、エラー対応に数時間かけても解決できなかった時は精神的に疲労しました。
投げ出すことができない状況の中で、限られた時間で状況を整理し、試行錯誤しながら対応する力が求められることは、IT業界のリアルな一面です。
ただ、そうした経験を重ねることで対応力や判断力も鍛えられます。
分からないことは素直に聞くことと、自分で調べることのバランスを保ち、
日々タスクを進めていく必要があると感じました。
実務経験を重ねていくうちに慣れてきますが、最初の間は
- 現状を整理する
- タスクの目的を理解して進める
この2点を、地道に進めていくことでいっぱいいっぱいになるかと思います。
IT未経験からでも活躍できる人の特徴とは?
自身や同僚の経験から感じた、活躍しやすい人の特徴は以下のとおりです。
向いてる人の共通点
- コツコツ勉強を継続できる
- 分からないことを自分で調べられる
- 分からないことを素直に聞ける
続かない・やめた方がいい人の特徴
- 人から教えてもらうのが当たり前だと思っている
- エンジニア=高収入だけを目的にしている
「人から教えてもらうのが当たり前だと思っている」
これは注意しておくと良い点だと思います。
IT業界の現場では、研修やOJTだけではカバーできない部分が多くあります。
先輩社員たちも自分の業務があるので、”親身に業務を教えてもらえることがない”という声もよく聞きます。
また、マニュアルが整備されていない職場も多く、受け身の姿勢ではなかなか成長できません。
自分から積極的に、タスクに取り組む姿勢が重要です。
まとめ: 「やめとけ」を鵜呑みにしないで、自分に合う選択を
「未経験 IT やめとけ」という言葉には、確かにうなずける部分があります。
楽ではないし、努力が必要です。
しかし、それを乗り越える意欲があるなら、IT業界は大きなチャンスをくれる場所でもあります。
また、正しいキャリアを選択することで、大幅な年収アップも実現できる業界です。
私自身、接客業界からITエンジニアに転職して100%良かったです。後悔はありません。
接客業界にいた頃よりも年収はあがり、今後さらに年収は伸びる見込みがあります。
また、フルリモートでの在宅勤務ができ、現在の労働環境や生活に満足しています。
あなたの未来を決めるのは、他人の言葉ではなく、あなた自身の一歩です。
ITやテクノロジーに興味があるなら、未経験でのITエンジニア転職は素晴らしい選択だと思います。

30歳から未経験でIT業界に飛び込んだ私としても、また現在もITエンジニアとして働いている身としても、同じようにこれから挑戦しようとする方を心から応援しています!